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書評
書評というほど立派なことはしませんが,読んだ本やPDFの紹介・感想など
代数幾何
- Algebraic Geometry, Robin Hartshorne
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言わずと知れたハーツホーンです.この本でスキームのコホモロジー理論を勉強しました.Grothendieckのスキーム論を射影幾何学から離れずに解説しているので非常にスッキリして分かりやすく,よくまとまった名著だと思います.
- 代数幾何, 上野健爾
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たまに参考にします.日本語のスキームの教科書で読める本として有名??ローカルには読みやすいのですけど,一カ所に纏まっていて欲しい情報が散乱していて,グローバルには読みにくいと思いました.あと,コホモロジーのところの情報量が少なすぎ...?
- Algebraic Geometry I, Ulrich Gortz
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この本でスキーム論を勉強しました.600ページの厚み.でもコホモロジーは書いていない.2巻出る気配無し.やむなく一般的なスキーム論を使う状況になったときにハーツホーンで不足する知識を補充してくれる本で,辞典のように使うと非常に便利な本です.2巻待ってます.
- Residues and Duality
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読んで教えて下さい by waheyhey
※スキーム論の勉強に関する私見:最近ここの本紹介を参考にしてスキーム論の教科書を選んだという話を聞きました.インターネットのよく分からない情報は参考にしないほうがいいと思います...が,じゃあなんで本紹介のページなんて作っているのだという話になるので,以下代数幾何を専攻したい学生のスキーム論の勉強に関する私見を述べておきたいと思います.数論幾何や表現論は知りません.個人的にはスキーム論と代数幾何の勉強というのは切っても切れない関係ではあるものの別概念で,例えるなら英文法と実践的な英作文や英会話のような関係になっていると思います.(歴史的にも,代数幾何という分野が先にあって,その基礎づけの整備としてスキーム論が登場したのだと思います.)つまり,スキームの勉強に時間をかけすぎるのは延々と英文法書を読み続けるようなもので,もちろん無駄ではないのですが,"代数幾何"がやりたければ最低限の基礎事項をインストールしてしまって,あとは実践の中で必要なものを適宜勉強しつつ...というような方法を取るのが良いのではないかと考えます.これから代数幾何を勉強するためにスキーム論を学ぼうとしている方は,「代数曲線論やK3曲面など,スキーム論の教科書に書いていない&別の教科書がある代数幾何で面白いのはたくさんあるのだ.そして,そういった代数幾何の教科書を読み進めるためには必ずしもスキーム論の教科書を隅から隅まで理解しておく必要がない」ということを心に留めておくと良いのではないかと思います.
その他(おすすめの漫画など)
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HUNTER×HUNTER, 冨樫義博
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言わずと知れた漫画界の最高傑作.
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マテリアルポルカ, 古林奈留
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脱出不能の女子校で生徒たちが命を賭けて戦うマッドメルヘン.血の代わりにお菓子が飛び散る演出のみに注目したレビューも多いが,
作者の絵が非常に上手く,その画力で描き出される印象に残るポースや構図も迫力があって漫画として完成されている.
残念なのは長期休載中で連載再開の見込みが立ってないこと.既刊2巻.それでも十分買う価値あり.
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JA~女子によるアグリカルチャー~, 鳴見なる
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ラーメン大好き小泉さんの作者の作品です.4人姉妹が農業をするほのぼの日常系.と思いきや話に起伏もあって結構読ませる.完結済み全8巻.